東京木材問屋協同組合


文苑 随想

時代を見つめて No.55


東証2005年 大納会 株価を考える

時見 青風

 各紙報道によると
  最終取引の東京株式市場,日経平均株価
   2005年(平成17年)1万6111円43銭
  (2004年(平成16年)1万1488円76銭)
  前年より約40%の上昇で4622円67銭アップだった。
  年間上昇率はバブル崩壊以降で最高である。又この一年は景気の本格回復への期待を背景に株価上昇とともに売買も活発化し,年間の売買高,売買金ともに過去最高を更新したと記されている。
  平均株価の年間上昇率は,バブル期の昭和61年に記録した42.6%以来,19年ぶりの高水準と言う。
  今年は更に個人投資家が増え,株価も更に一段と上昇するのではないかと見る人が多いようである。
  30日は前日までの大幅上昇を受け,当面の利益を確保しようと思われる売りが先行して,平均株価は前日終値と比べて232円77銭下がったようである。
  又,30日午前中で取引を終えた東証では,世界陸上400メートル障害で銅メダルを獲得した為末選手を迎えての大納会であった。
  西室泰三会長兼社長が大規模なシステム障害を起こしたことに触れ,「改めてお詫びします」とテレビでも陳謝の様子がうかがえた。又,「障害を乗り越えて疾走する為末さんの姿に東証の姿をダブらせている」と言い,再発防止を誓った発言があった。
  果して昨年のような上昇が見られるか,慎重な対応も必要かも知れない。
  年末に大納会の建設株をチェックし始めて今回で6年目になるが,やっと建設株や業界も安定して来たかなあーと思っていたら,昨年後半より「耐震強度偽装事件」が発生し,大きな社会問題に発展してしまった。姉歯秀次元建築士の設計偽装から端を発し,次々と建築基準法違反が発覚,ホテルの営業停止,マンション騒動等,終止の見通しがつかない状況になり,これが今年どんなふうに建設業界に影響するか,不安の種となって来た。

東証終値2005年12月30日〜2000年(同)

会社名
17年
2005
16年
2004
15年
2003
14年
2002
13年
2001
12年
2000
1 ハザマ
360
226
241
17
22
47
2 東急建設
250
257
530
54
59
100
3 オリエ建設
625
535
458
?
?
?
4 長谷工
455
204
188
48
20
36
5 新井組
273
191
140
67
73
100
6 飛鳥建設
190
157
96
22
22
47
7 不動建設
201
228
84
39
76
100
8 大末建設
141
116
83
27
44
40
9 三井住友
781
110
82
三井29
住友41
42
43
60
65
10 佐田建設
183
114
85
41
67
100
11 真柄建設
188
122
93
57
100
100
12 イチケン
378
242
97
48
77
100
13 東洋建設
222
99
77
42
61
100
14 日成ビルト
240
196
87
89
100
100

※2000年の当初株価が100円以下の建設会社を列記して書き始めた価格だが,単位の変更もありの左が2005年の最終価の株価である。
  各会社それぞれの変動が鮮明に見えて来た。


上記建設会社の2005年 年間最高値と最安値と12月30日最終値

会社名
始値
最高値
最安値
終値
1 ハザマ
228
388
225
360
2 東急建設
257
295
129
250
3 オリエ建設
545
675
470
625
4 長谷工
275
484
265
455
5 新井組
194
300
194
273
6 飛鳥建設
158
244
104
190
7 不動建設
233
264
173
201
8 大末建設
117
169
110
141
9 三井住友
 (三井住友)
870
899
736
781
10 佐田建設
114
205
113
183
11 真柄建設
123
222
121
188
12 イチケン
247
411
180
378
13 東洋建設
100
239
98
222
14 日成ビルト
211
249
137
240
※ 会社によっては変動の大きい株価もあるが,他業種と比べると,まだまだ上昇が少なく,業界の業様がうかがえる。


スーパーゼネコンの動き

株高の順(2005年12月30日〜2000年(〃))

会社名
17年
2005
16年
2004
15年
2003
14年
2002
13年
2001
12年
2000
大林組
869 646 479 264 372
492
清水建設
867 514 408 297 444
338
鹿島
678 414 348 265 356
317
大成建設
535 399 392 189 284
229
 
2005年 年間の高・安値
会社名
始値
最高値 最安値 終値
大林組 640 931
544
869
清水建設 507 878
458
867
鹿島 440 696
365
678
大成建設 399 543
351
535
※ 他業種と比較すると,上昇がそれほどでもないように見えるが,平成14年から比べると,約3倍に成っており,さすがにスーパーゼネコンだけあるなあーと思える。



  主な(注目)の銀行株の動き(2005年〜2002年)

会社名 (平成17年)
2005年
(平成16年)
2004年
(平成15年)
2003年
(平成14年)
2002年
みずほHD
9360
5160
3250
1110
(東京三菱)
三菱東京UFJ
(UFJ)
 

16000
 
10400
 
6210
8360
 
5150
6450
 
1200
三井住友
12500
7450
5710
3710
愛知
14300
8430
6360
6240
札幌北洋
10800
7700
5820
5400
池田
6300
5450
5500
5400
清水
6000
5300
5130
5200
武蔵野
6560
4400
4200
3850
りそなHD
4750
208
135
?
千葉
(新生銀
989
682)
685
-
439
-
?
-
もみじ
4230
?
?
?
都民銀
4600
?
?
?
岩手銀
8120
?
?
?
東京スター
(大分銀
3910
950)
?
?
?
?
?
?
北日本銀
6320
?
?
?
※値上りが,代表的な大手の銀行株は今回牽引的な立場のようだ,大手のどの銀行を見ても値上りが大きい。4年前に「みずほHD」株を1110円で買ったものが9360円の約9倍になったことになるから,大変な事である。
それにしても,地方銀行はやはり,上昇率は少ない。これからも格差はますます広がるかも知れない。

※東証評判の株(2005年〜2000年)

会社名
17年
2005
16年
2004
15年
2003
14年
2002
13年
2001
12年
2000
NTT
5360 4600 5170 4310 4270 8230
NTTドコモ
1800 1890 2430 2190 15400 19700
JR東日本
8110 5700 5050 5890 6330 6700
JR東海
11300 8370 9260 7390 8480 7030
オービック
25980 20350 21560 20650 26000 23590
任天堂
14290 12780 10060 11050 22700 18250
OLC(デイズニー)
6430 7120 6610 7190 9010 7650
東宝
2640 1619 1364 1139 14180 ?
日本テレビ
18130 15390 15930 17700 27910 ?
ヤフー
1790 ? ? ? ? ?
トヨタ
6120 ? ? ? ? ?
日産自動車
1195 ? ? ? ? ?
第一三共
2275 ? ? ? ? ?
※ 評判の株をながめて見る時,時代によって,その時代の変化がこの株価の数字で見えて来る,値上りがバブル時代程大きいと騒いでいる時,逆の数値が見える。ここが株の難しい所であろうか。

 平成17年の建設会社の上場企業の倒産は2部上場で1〜2社あったように聞くが,大波は吹いていない。
  木材業界も16年の大きな倒産以後は比較的平静であり,小波程度のように思う。
  前にも記したが「耐震強度偽装問題」は,マンション業界には大変な影響で,マンションを主体にしてきた建設会社はかなりの痛手を受ける事は必至である。いつの時代も何かで混乱が発生する,だが地味に努力していると,何かが生れる。
  東京都が表明した,2016年の東京オリンピックへの誘致,実現して貰いたいものだ。

18.1.13日記



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