東京木材問屋協同組合


文苑 随想

名僧了翁禅師三百年法要に参加

深川 木好


 曇天6月21日大阪の孫娘に送られ,「つばさ103号」にて7時16分東京駅発,湯沢着12時23分,甥吉蔵氏の案内で昼食もそこそこにし,先祖の墓参り,米寿九十の姉達をそれぞれ訪問。夜グランドホテルにて首都圏湯沢会員6名と湯沢鈴木市長他幹部6名と9時半迄,懇親会を行い,有意義なる一日を過す。
 それにしても5年ぶりの古里の酒肴は美味。明けて22日,秋田は梅雨入り宣言,小雨模様。
 以下「秋田さきがけ新報」より抜粋。
 現在の湯沢市八幡に生まれた江戸前期の黄檗宗の名僧,了翁禅師(1630?1707年)の入寂三百年法要が22日,生誕の地にある慈眼寺で営まれ,約100人の参列者が先人の遺徳をしのんだ。
 了翁は,苦行の末に開発した万病に効くとされる丸薬「錦袋円」を江戸で売り,その富を元手に上野,不忍池に日本初の公開図書館を創設したほか,上野寛永寺に現在の大学に当たる勧学講院を設立。大火の被災民救済にも尽力するなど,数々の事業を成し遂げた。
 法要は,了翁の研究と顕彰活動に取り組んでいる同市の了翁禅師研究会(田口大師会長)が中心となり計画した。この日は同会会員や地域住民のほか,首都圏湯沢会会員など県外からも参列。岩手,平泉町の中尊寺の山田俊和貫首をはじめ,京都にある黄檗宗の大本山,萬福寺や寛永寺,東成瀬村の龍泉寺など,了翁ゆかりの寺院の関係者も駆け付けた。
 慈眼寺(藤田道寛住職)の宗派である曹洞宗の作法にのっとり,同市と羽後町の同宗の僧侶でつくる正法会が執り行った。
 厳かな雰囲気の中,参列者たちは合掌と焼香を行い,大きな足跡を残した名僧に思いをはせた。千葉・観音教寺の濱名徳永住職から寄進された了翁の木像の開眼法要も営まれた。
 終了後,参列者たちは,生誕の地の碑や,了翁が修行した八幡神社など,地元の史跡を巡った。このほか湯沢グランドホテルに会場を移し,濱名住職による「関東天台と了翁禅師」と題した講演会も行われた。
 続いて木好記。
 後,マイクロバスにて東成瀬村岩井川,曹洞宗長渓山龍泉寺到着,了翁禅師剃髪所碑その他30分視察し,葛折りなる奥羽山脈栗駒山頂を越え一関温泉郷,矢びつ温泉「瑞泉閣」へ。素敵な和服の女将さんに迎えられ5時20分到着。この頃より快晴となり2日間の疲れをおとし9時迄懇親を深める。
 明けて23日(土曜日)南部の空は真っ青。9時50分出発厳美渓の景観を撮り,続いて藤原清衡造営の毛越寺参拝,平泉レストハウスにて昼食,中尊寺金色堂をはじめ讃衡蔵を拝観し,帰り本堂に山田俊和貫首の招きにより上堂,昨日のお礼とお葩と線香を頂戴し,一関15時47分発の新幹線に乗り,18時24分東京着。誠に有意義なる3日間を過し,目下,了翁禅師の心境の日々なり。「合掌」


中尊寺「金色堂」

毛越寺

 

 


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