東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第9回)

★特許庁長官奨励賞受賞★

(株)コバリン 奥澤 康文


【もみがらエコボード】
 製造元の(有)寿建築工房(鈴木寿男社長)が受賞(11月16日)。自然エネルギーの有効利用と自然素材特有の温もり感が高く評価されたようだ。


【浦島太郎になった2日間】
 10月15日(土)35年振りの大学同窓会(100名)の晩は、私を含め数名が日本橋のビジネスホテルに宿泊。翌朝、希望者を連れ、「深川不動堂」、「富岡八幡宮」、「清澄庭園」を散策。特に、人影疎らな清澄庭園では、日本全国から蒐集された有名な大小の岩石を眺めながら昔話や近況交換に興じ、大いに盛り上がった。そして何よりも久々に気持ちがすっかり安らいだ。天高く、紺碧の空の下、そよ風が爽快。下を見ると、群れを成した池の鯉や亀が悠然と泳いでいた。
 総会では、OBの松田譲氏(協和発酵キリン(株)社長)が講演。内容は、「バイオ医薬事業の最近の話題」で、材木屋の私には難しすぎて理解できない箇所もあったが、時代の先端分野での動向は大変に興味深かった。参加者に私の「小雑誌」を配布。これは『組合月報』への連載原稿を編集し、同窓会への前向きな感想を添付。司会者に当社の紹介までして戴き恐縮した。後日、同級生等から関心が寄せられた。

天気も良く、人通りが少なかった為、ゆっくりと散策できた。再会に、一時は相当な興奮状態 になったが、一夜明け今迄の人生の反省とこれからの仕事や家族、趣味、退職後等に話 が及んだ。(深川不動堂⇒)
忘れていた人生時計の針を強く意識した。
赤星君(メーカー役員)、長谷川君(歯科医師)、松島君(JA部長)、筆者


【富岡八幡宮と東天紅】
 江戸情緒の残る門前仲町は、散策するには最適な観光スポットだ。閑静な佇まいの参道を左右に寄り道しながら、ゆっくりと進んだ。金箔、貴金属で装飾され、時価が10億円とも言われる大きな御神輿も展示されていた。見惚れるほど立派だ。伊能忠敬の銅像もあった。彼は50歳を過ぎてから重い道具を背負い、20年間の全国測量の旅に出た。我々も、まだ負けてはおれない。ヤルゾ! ヨシ!

普段は自分の顔をまじまじと見たことはない。しかし、この日ばかりは、互いの顔に刻まれた皺やシミ、白髪に目がいってしまった。声は何となく面影はあるが、容貌の変化には愕然とした。
皆、口には出さないが、思いは同じであろう。タイムマシン下車後は、生きたネットワーク構築が期待される。
(富岡八幡宮⇒)

10月16日(日)東天紅。昼食に、三上君(米国在住)が合流。5人で「五目焼きそば」を食べ旨かった。普段は飲まないビールも飲み、約2時間談笑。話は尽きない…。
(実は、私の大好物です ⇒)
総会時、三上君の英語での自己紹介はバツグン。学生時代は私の方が発音良かったのに…。
Attention please! Attention please!
Ladies and gentlemen! May I tell you...?

 12名の旧友との再会は懐かしさで嬉しい反面、否応なく残りの人生の事を考えさせられた。還暦前とはいえ、確実に迫りくる老いに対し一抹の寂しさも感じた。日常は都会の雑踏や喧噪の中で忘れている思いが、ふと頭を過った。進行している地方の疲弊、大震災や日本の将来を心配している仲間も多かった。


【電力自給率180%の町】  
 10月14日(金)「猊鼻渓の谷間の百合」の率いる美女軍団が、岩手県葛巻町を見学。盛岡から車で2時間。岩手県の北部に位置し、町のキャッチフレーズは、「北緯40度、ミルクとワインとクリーンエネルギー」。面積434km2、人口7,140人、人口密度16.4人/km2。町の中心部は標高400m、周囲は1,000m超の山々に囲まれ、森林率が86%。町内に散在する牧場、農場を活用したグリーンツーリズム、山ぶどうを原料とした「葛巻ワイン」の生産、風力発電(風車15基)、太陽光発電(葛巻中学校の自給率は100%以上)、バイオマス発電(バイオガス)等の自然エネルギー発電により、電力自給率が180%以上。所謂、日本の最前線を疾走するエコタウンと言える。
 エコ女は熱くこう語る。「前町長の中村氏の話に全員が強く感動。地中16mの温度(16度)に着目し、冷温風を利用し家全体を自然エアコンの設計にしたモデルハウスも有。重要な事は採算だ。設備投資総額は55億円、8年間で町の支出は、僅か8,000万円との事。稀で見事な成功例だ。同じ県内にこんな場所があるとは全く知らず、前町長の鋭い着眼点と行動力に敬服。実現したいことは、言葉に出して言う。現状に満足しない。何かもっとあるはずと常に情報を集める。牧場にホテルもあり、食事も美味しくて、是非又行ってみたくなる場所だった。」との事。東京にいる私も学ぶべきは多いと感じた。


【家庭の節電成功物語】  
 7月、WEB上で「CO2家計簿」に申し込み、概ね節電に成功。7月:▲27%、8月:▲33%、9月:▲42%。平均で▲36%。家庭の節電手法でも、業務上に応用できるヒントがあると痛感 ⇒反省 ⇒10月から実践。

下の折れ線グラフが自宅のCO2排出量の昨年実績。上の線は他の同条件世帯の平均値。我が家の電力使用は半分以下で驚きだった!(写真右⇒)
赤いニコニコ印は合格だ。電気料を節約、景品の粗品もゲット。一石二鳥。遊びで始めたとは言え、業務改善を担当している者として、面目躍如(?)の心境です。

【自然エネルギーで、エコライフを実践】
8月20日(土)東京本社の応接室。CO2を約200kg削減。自然素材特有の柔らかさ、気持ちが和むような感触で、評判は上々。(写真右⇒)
ペット用の犬小屋の素材等にも多目的利用可。
11月22日(火)東京都民銀行様主催の創立60周年記念イベントである「エコ展」へ出展。(東京国際フォーラム:有楽町)


【高校の東京同窓会総会】  
 11月5日(土)(飯田橋:ホテル グランドパレス)

50名参加。旧制中学の校歌の方が、力強く唱和された。S20年代卒の先輩達が元気一杯。S40年代卒も頑張るぞ!(写真右⇒)
小林淳一氏(S26卒:印刷会社社長)が、「自分史の作成」のテーマで講演。人情味あふれ、説得力ある話に深く感銘を受けた。
上述した「小雑誌」と「エコ展のパンフ」を配布。活性化への一歩となれば…。

2011年11月6日(日) 記

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