東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第12回)

年金・医療・介護

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


 今年の冬は例年より寒さが厳しい。私の住む埼玉県南部でも毎朝氷点下の冷え込みで、2月1日には−6.9℃を記録した。江東区より3〜4℃気温が低い。又、今年は元旦から地震があり、その後も続発しているので不安が広まっている。日本の国土は地球表面上では、0.07%しかないが、地震発生件数では10%であるというから、正に、地震の巣の上にあるようだ。

【先輩との交流】
 1月28日(土)の午後、埼玉県内在住の高校(男子校)の9年先輩(Y氏)の家に遊びに行った。最寄りの駅まで車で迎えに来てくれた。駅から徒歩15分程度の場所で、交通は至便。近隣は緑豊かで閑静な住宅街の一角の戸建て住宅であった。私は狭いウサギ小屋マンション住まいで、こうした庭のある家に憧れを感じる。


【50年後の日本?】
 
テレビや新聞で大々的に報道されたので皆さんもご存じの事と思います。即ち、65歳以上の人が5人に2人となり、総人口が3割減少して8674万人となる試算だ。丁度、現在の関東分が消えるという実に驚くべき予測だ。


厚労省推計「50年後はこうなる」(1月30日付 『日本経済新聞』 夕刊)

  現在(2010年) 50年後(2060年)
総人口 1億2806万人 8674万人
老年人口(65歳以上) 2948万人(総人口の23%) 3464万人(39.9%)
生産年齢人口(15〜64歳) 8173万人(総人口の63.8%) 4418万人(50.9%)
年少人口(0〜14歳) 1684万人(総人口の13.1%) 791万人(9.1%)
出生率 1.39 1.35
平均寿命 男性 79.64歳
女性 86.39歳
男性 84.19歳
女性 90.93歳
平均初婚年齢 25.7歳
(1960年生まれの世代)
28.2歳
(1995年生まれの世代)
生涯未婚率 9.4%(同上) 20.1%(同上)

 日頃は自宅と会社との往復の生活であり、あまり感覚的にはわからなかった。しかし、様々な話を聞いているうちに、少子高齢化の急速な進行を実感した。老いは誰にも公平にやってくる。そして、健康を維持しながらできるだけ長生きしたい願望が自然だと思う。先輩の家族の一人が現在入院中とのことで、介護等のことを身近で切実に感じた。


【地域社会活動】  
 Y氏は元新聞社の編集局長で、幅広い人脈、営業力があり地域社会の要として活躍している。ゴルフとグラウンド・ゴルフもやっている。昨年も同級生と米国のオレゴン州でゴルフをやってきたという。更に、同窓会の事務局もこなし、雑誌の編集等多忙な日々を送っている。これからは、地域社会の高齢化、医療、介護等での活動にも係りたい考えがあると語っていた。身の上話を聞いているうちに、自分にも確実に訪れる問題であることを身近に感じた。


【同窓会年報の発行】  
 Y氏は高校の東京同窓会事務局として、年に1度会報を発行している。今年もその時期で準備はほぼ完了とのこと。そう言えば、私の父も生前は海軍予科練OB会の事務局をやっていたことをふと思い出した。今と違い、電話と郵便だけの時代だから、その時期になると大変だったようだ。さて、同窓会の方も高齢化の影響が出始めている。牽引してきた諸先輩の高齢化が進み世代交代の時期に来ているが、新人の参加が少ないことが問題である。これは他校の同窓会でも同様であると言う。更に衰退し自然消滅となるのか、或いは頑張って成長・拡大させるのか道は一つしかない。人間がやっている事なので組織運営は会社運営にも通じるところが多いと感じた。


【Facebook等情報メディアの活用がキーになる】  
 情報化社会の進展により色々なツールがでてきた。上手く有効利用できれば、それに越したことはない。10数年前に、携帯電話やPC(Windows 95)が発売された頃は、ここまで広く利用されるようになるとは夢にも思わなかった。Word, Excelでも業務上便利なツールで必需品だ。最近では、電車の中でもiPhoneやスマートフォンをやっている人が目立つ。私は持っていないので違いも機能もわからない。やっていないとなんだか時代から取り残されているような気持ちになる。最近話題になるFacebookは、全世界で既に8億人以上が使用中であるという。Y氏とは様々な発信メディアの件で意見交換をした所、彼の旺盛な好奇心により瞬く間に覚え利用を始めた。Y氏の企画・発信力で同窓会のみならず地域介護の問題でも改善が期待される。何事にも長所短所があるが、そこを理解し使いこなせれば有益である。


【日本も資源国に】 
 暗いニュースが続く中で、ここで少し明るい話題に切り替えます。2月2日、テレビ・新聞報道。2月中にも日本が愛知県沖で、「メタンハイドレード」の試験掘削を開始するという。メタンハイドレードは、メタンガスの仲間で大陸の沖合の海底に蓄積されているという。日本列島が、かつてアジア大陸と陸続きだったことから、大陸の微生物等が海底に堆積して、メタンハイドレードになっているという。この為、日本の太平洋側の海底には、多くのメタンハイドレードがあり、埋蔵量は100年分にもなると言われる。原油等に比べCO2が少ない。掘削するのは、海底1000mとのことで、多くの課題があるが、10年後、20年後に期待のかかる希望であり夢だ。大震災後の難問山積の時期だけに、夢を見ることも大切なことだと思う。私は素人ながら必ず実現すると期待する。



2012年2月5日(日) 記

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