東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第23回)

深川東京モダン館と「嵐」の林業最前線

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


【深川モダングループ展】  12月4日(火)から6日間、深川東京モダン館で開催。12月8日(土)午後立ち寄った。江戸情緒のかすかに残る江東区門前仲町で、自動ドアを“パックン”と抜けると静けさの中、何やら懐かしくて粋な雰囲気に誘われる。そこは地元の人の文芸品の展示や各種の集会に多用され、深川の熱い情報の発信基地として躍進中である。
 今回の企画は、「アトリエ・JP」、「こまち工房」、「憬デザインオフィス」、「アトリエ・みえ」の合同展示会であった。展示の品は優しく安心な手作りで、新品と中古品、不用品が賢く再利用されている。

江戸時代風の名物掲示板。木材と自然素材製。表面はモダン館の毎週の行事が目白押し。

裏面は江東かわら版、役立つ地域情報が満載。皆さんもぜひ立ち寄ってみてください。

これはペットボトルを入れるものか? 旅行用に1本欲しくなりませんか?

様々な材料を利用したアクセサリーの数々。見ているだけで夢が湧いてくるような雰囲気。

 今回は前宣伝をしなかった為、来場者は少なかったようだが、事前のPRがあれば大勢の来場者が見込まれると思う。今年の夏頃、次回の展示する予定があるとのこと。手先の器用な人達で、下町の伝統文化の振興にもなりうる素晴らしい催しだと感じた。今後もこうした作品展をドンドンやって欲しい。  

新品、古品の布を利用した小物入れ。気持ちが和み、触ると気持ちが温かくなる。

歴史物は特に目を引いた。愛好家が喜びそうな一品だ。思わず欲しくなってしまいました。

手作りの帽子。気持ちがこもっています。手先が実に器用ですね。素敵です!!

帽子とアクセサリー。ホントに何でもできちゃうんですね。魔法使いみたいで、感心します。

シックな買い物バック。或いは小物入れか?色合い、そして、丈夫そうなもので安心感がある。

主催者のご婦人達。生きがいを持っているから、皆さん、とっても元気でキレイ!!

【林業最前線:芸能人「嵐」の明日に架ける旅】 12月19日(水)NHK総合 午後10〜11時。
 日本の未来を明るくするためには?そのヒントを探すため、嵐のメンバーが全国各地を訪ねるバラエティーの第2弾。今夜は第3夜の旅人は桜井翔。彼は、面積の96%が森林という高知県馬路村を訪ねた。「魚梁瀬杉」と呼ばれる銘木の産地だが、後継者不足などで林業を離れる人が増え、山は荒れていった。きちんと守れば立派な財産となる森を守り、全国的に低迷している林業の活性化を目指すべく、村がとった方法は?

新型チェンソーで伐採。思う方向に倒せれば、最高に快感とのこと。長年の経験と匠の技だ。

空中を飛ぶ材木?伐採後の木材を張り巡らせたワイヤーで搬出。数人で1日20〜30本。

作業員の人と楽しい昼食。みんな若いのに林業の伝統を引き継ぐ使命感が立派です。

お昼のマツタケご飯。ああ、うまそう!!こんな御馳走は、都会では夢だな…と思う。

おかずは山の幸がたっぷり。作業は楽でないが、自然の恵みの活力で毎日の仕事に励む。

過熟林から順次伐採。新たに、植林・間伐・枝打ち等をする意気込みを熱く語る。

【新エネルギー関係:地熱発電】 『日経』(12月14日)地熱発電の新計画全国で8件、合計出力20万キロワット規模に達した。1999年以降、環境規制などで新設が出来なかったが、再生可能エネルギーへの支援策を受けて開発が動き出す。政府は日本に潜在的な地熱資源が2347万キロワット分(原発約20基分)あり、世界3位と試算している。太陽光等と異なり、再生可能エネルギーの中でも昼夜、安定した出力を出せる等の特徴がある。
 今迄は建設に適した地域が国立・国定公園内に多いこと等で建設が進んでいなかった。エネルギー不足を考えれば、自然保護とはある程度妥協せざるを得ないだろうと思う。外国では既に日本製のタービンが先行し大活躍中であり、お膝元でも頑張って追いついてもらいたい。運転までには10年程度要するとのことだが、計画中の物は以下の通り。

場 所 出 力 事業者名
1.定山渓地区(札幌市南部) 4万キロワット JX日鉱日石金属
2.木地山・下の岱地域(秋田県栗駒国定公園) 5万キロワット 東北電力
3.武佐岳地区(北海道中標津町) 数万キロワット 石油資源開発

 

【林業とエコツーリズム中間報告】 昨年の後半から3人でスタートした小集団だが、人の輪やつながりが少しずつ出来てきた。新年早々、旅行社からそれを裏付けるメールを受信でき嬉しくなった。森林や林業は世間からあまり注目されていないが、都会と田舎との生活環境活性化が少しでも出来れば素晴らしい事だと思う。昨年まいた種から芽が出てくる予感を感じる。実現までには様々な障害や紆余曲折があろうが、着実に成果を出してゆきたい。

 

【安部新政権誕生】 12月16日(日)衆議院選挙の結果、12月26日(水)安倍晋三氏(58歳)第96代の首相となり安部内閣が誕生した。経済、安全保障、原発等の内憂外患で問題は山積。一方世界では、昨年から今年にかけ多くのリーダーの交代があった。今年、1月、オバマ大統領(米国)が2期目となる。2月、朴槿惠氏(韓国)が大統領に、3月、習近平氏(中国)が国家主席に就任する。お正月のテレビ討論を見たが、「2030年の日本はどうなる?」類の番組が多かった。国力の衰退する現実を受け、再生に向けた議論は白熱。2013年は、不安・閉塞・希望の交錯する中、少しでもいい方向に進んで欲しい。

 

【東京オリンピックをやろう!!】 今年9月、2020年夏季オリンピック開催地が決定する。残念ながら、反対や無関心者も多く地元東京の支持率が低いのが最大のネックだ。しかし、決まれば世界中から関心が集まり、単に経済効果だけでなく、日本の外交上有利となると思われるので、東京に是非決まって欲しい。色々な意味で起爆剤になるだろうし、観光を始め日本の自然や林業の活性化などにもいい影響が出ると思う。今回決まらなければ、次の機会はもうないだろう。

 

2013年1月5日(土) 記

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