東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第31回)

2020 東京オリンピック決定! 歓喜から希望と復興へ!

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


【歴史的な歓喜の瞬間】 9月8日(日)午前5時、ブエノスアイレスのIOC総会で、マドリード、イスタンブール、東京の3候補都市への投票が行われ、イスタンブールと東京の決選投票の末に東京が圧勝した。IOCのロゲ会長が、静まり返った満員の会場全体をゆっくり見渡し、『Tokyo』の名前の入ったカードを読み上げた瞬間、「わぁー」という、会場が割れんばかりの大歓声が上がり、万歳が連呼された。同時に、熱き情報が全世界に向けて発信された。
 前日の晩、安倍総理がロシアでのG20を早目に切り上げ、最終プレゼンに合流した。多くの人の努力の結果だが、安倍総理のなめらかな英語スピーチは、自信・行動・希望・品格にあふれ特に良かったと思う。56年ぶりの世紀のイベントに夢はふくらむ。国内外で様々な妨害工作があったようだが、日本チームはそれを凌駕するに十分な招致計画・活動と見事なプレゼンの成果だ。

【竜巻発生】 9月2日(月)午後2時過ぎ、埼玉県越谷市と千葉県野田市で竜巻が発生。積乱雲が急速に発達・巨大化し、重軽傷者が約千人、建物の全半壊、大規模な停電等大きな被害が出た。その2日後、栃木県と四国でも竜巻被害が報告された。ふと、古の『方丈記』(12世紀、鴨長明)が想起され、当時多発した天災・飢饉に関する記述が現在の日本の姿に重なった。

左は私の感覚イラスト。半世紀前は、四季が明瞭。だが、今や、沖縄や九州より、関東の高温の夏が定着。近年、CO2の排出量増加で、地球温暖化が加速。その結果、暖冬で春と秋が短くなり、夏が長く酷暑とゲリラ豪雨が頻発。21世紀末には、海水温が更に2゜C上昇し、影響が危惧される。
人間が利便性を追求する限りストップや逆戻りもできない。世界中で気象に様々な異変が起こり、海の中でもサンゴや魚類の生態系に顕著な異常が出ている。

【読書の秋 その1「東京大学演習林の見どころ100」】 退屈な通勤時に携帯し時折読む。昨夏、北海道演習林の見学時に購入した本だが、紙の印刷物なので目に優しく気持ちも安らぎを覚える。内容は、千葉演習林、北海道演習林、秩父演習林、田無演習林、生態水文学研究所、富士癒しの森研究所、樹芸研究所、企画部・教育研究センターの見どころが収録されている。勿論、研究林が主体であり、一般の人の出入りは制限がある。
 四季の自然景観や森林、林業、樹木等の画像や内容が素晴らしい。

【読書の秋 その2】 最近、「歴史認識」という言葉を毎日見聞する。8月旧盆の休みに、東アジアの歴史の本を3冊購入し、子育てを終え閑散とした自宅で熟読した。
 勿論、或程度難しい内容の為、その後何度も読み直し、社会・文化・経済・宗教等の複雑な事象の関連性を体系的に理解できて良かったと思う。現在を知るには、過去数十年ではなく、数百年以上遡り、色々な角度から見つめる視点が大切だと痛感した。幸い、自宅から徒歩数分内に、図書館・大型書店もあり大いに活用したい。

【最後に、長生きの夢と秘訣に…】 上述の東京オリンピック決定は静かな早朝であったが、私も思わず飛び上がり絶叫したくなるような素晴らしい歓喜の瞬間を、テレビで大勢の人と共有でき感激と至福の一日であった。朝食後、急いで近所の床屋さん(*:ルパン)に直行。みんなの笑顔が印象的で、久しぶりの明るい話題で沸き返っていた。(*:挨拶が良く、清潔感と活気がある。少し「檀密」似のきれいな理容師さんもいます。)
 話を戻すと、原発の汚染水対策等課題は山積だが、日本が元気になる半世紀ぶりのきっかけになるだろう。今後7年の総合的な経済効果は、100〜150兆円と試算する人もいるが、長期低迷した日本経済の立て直しや被災地の復興に役立てられるかが鍵になる。
 7年後、2回目の東京オリンピックに夢躍らせている人は非常に多いと思う。49年前、中学1年生だった私だが、その時は68歳になる。人並みにそれまで健康で働き続けたいと思う。自分の忘れかけた8年の海外経験を生かし、ボランティアをしたい。ここ江東区も立派な会場になり、国内・海外から大勢の観光客が訪れるだろう。

 皆さん、健康で長生きして楽しい夢を見ましょう!


2013年9月8日(日) 記

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