東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第34回)

耐火木造による「都市の木造化」シンポジウム in 横浜

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


 新年明けましておめでとうございます。昨年は、木材利用推進に関し、テレビ、新聞等で見聞する機会が増えたので嬉しかった。深川・新木場で働く者として今年も更に大きく前進することを期待する。


【耐火木造による都市の木造化】 12月6日(金)横浜市都筑区茅ヶ崎中央のセンター南にある「サウスウッド」の見学とセミナー(都筑公会堂)に参加した。新木場の「木材会館」も事例紹介の中で、何度か名前が出たので親近感を覚えた。密度の濃いセミナーで色々と勉強になった。(主催:一般社団法人 木を活かす建築推進協議会)
明るい都会的な建造物。最近、テレビでもオープンが報道されている。まだピカピカ!! 1階の喫茶店で軽い昼食。横の間仕切りは杉材。木へのこだわりが伝わってくる。
テナント入居前の迫力ある集成材の柱、梁がすごい。上は、「燃エンウッド」。((株)竹中工務店) シンポ開始前の会場。参加は約500人。設計士や工務店関係者、研究者、マスコミが多かった。


左は、夕闇せまるサウスウッド。外から木材が見える建物を期待したので少し残念。
大型木造建築物も全体からみるとまだ少ない。話を聞くと、問題点も可能性も見えた。
事例発表をした、安達広幸氏((株)シェルター取締役)に挨拶。山形県南陽市新文化会館の取組も良かった。完成後に見学したい。
次回の「都市木造化シンポ」は、2月28日(金)午後(東京大学 弥生講堂 一条ホール)


【母校の黒松林からSOS】 11月9日(土)午後、群馬県東毛地区の高校を訪問。過日、敷地内の防風林の一部が害虫で枯死した為、処理方法のことで相談を受けていた。

同窓会に入る前には、全く関心もなかったし、卒業後も行ったことはなかった。
40数年前の高校時代、戦前の木造校舎から鉄筋作り3階建てに改築された。以来、風雪に耐えた校舎は、時の流れと共に老朽化してしまった。

当時、周辺には畑が広がっていた。今は、住宅、商業地になった。東京から行くと、特に人影の少なさが目につく。



高校の敷地面積では、県下で1〜2の広さを有する。在校当時は、足元一面が深い笹で密集していたので、サッカーのボール探しに苦労した記憶がある。
しかし、今(右)はご覧のようにきれいに刈り取られ、すっきりした。反面、足元が踏み固められたせいで根の傷みが樹勢を劣化させ虫害に弱くなったと推定。
写真ではわかりにくいが、黒松の枯死木の赤茶けた姿が残念であった。


左は、正門そばの小さい庭園。昔とあまり変わっていないような気がする。私は樹木が好きなのでこうした植え込みを気に入っている。
校舎は鉄骨で耐震化工事済み。今ではよく見かける光景だが、やっぱり、見栄えが良くないですね。

将来、建て替えする時は、是非、木造でやって欲しいですね。現在の最新技術を活用すれば、大型木造校舎でも、耐震、耐火、美観、環境に調和したものになるでしょう。次の建築に期待します。



当日、午後5時半から同窓会・懇親会。私は学校関係者との打ち合わせがあり、早めに会場入りした。有益な懇談ができ良かった。
右は、5時過ぎ。受付と会場が用意でき準備が完了した所です。皆様、ご苦労様でした。
50歳以下の人が非常に少ないのが残念だ。他校の同窓会も同様だが、同窓会のありかた、運営方法を再考する時期に来ているようだ。帰属意識の希薄化だけが原因ではないだろうと思う。

 S45卒の同級生数名と卒業後初めて再会。しばし、誰が誰だが全くわからず呆然。近々、初のクラス会が実現するかもしれない。最も感動的な再会は、43年振りに高校時代の数学の恩師である飯島祥佐先生であった。こんな日が来るとは全く予想できなかった。当時、私が数学を好きだったので覚えていてくれたとのことで飯島先生の記憶力には驚かされた。


【やったぜ! 江戸っ子1号の快挙】 11月25日(月)、江戸っ子1号(*)が房総半島沖で、世界でも例の少ない、水深7,800m地点での魚類撮影に成功した。深海のヨミノアシロという、白いメダカを大きくしたような魚の群れに新鮮な驚きと感動をした。(*:東京や千葉の中小企業グループが開発した深海無人探査機。)低コストの為、機体に深度計がついていない為、公式記録にはならない。東京都葛飾区で、ゴム加工工場を営むプロジェクト発起人の杉野行雄さん(64才)は、「町工場でもこれだけできるんだ、やったぜ、という感じ。個人的には、マリアナ海溝の水深11,000m(世界最深)にも挑戦したい。」と更に大きな目標を掲げた。同世代の私にも大いに励みになるニュースだった。

【夢の資源 メタンハイドレートへの期待】 11月30日(土)の新聞各紙に記事が出ていた。経産省調査によれば、新潟県上越沖の海底に、白いメタンハイドレートの一部の露出が確認された。H26年から埋蔵量を把握するための詳細な調査を進めるというので楽しみだ。
 メタンハイドレートは、「燃える氷」と言われ、日本近海には、国内の天然ガス消費量の100年分に相当する埋蔵量があるともされる。資源貧国の日本にとっては、貴重な国産エネルギーになる可能性が有る。経産省は、H25年3月、愛知県沖の水深約1,000mの海底約330mの地点から、メタンハイドレートを取り出す産出試験に成功。H27年度迄に、秋田県や山形県沖、島根県の隠岐諸島周辺や北海道沖等を調査予定という。
 現実的には、コストや発掘技術等の大きな課題はあるが、海洋の探検は日本人に夢を抱かせる話題でもあり積極的に取り組んでもらいたい。2020年の東京オリンピック迄に、日本は資源大国になっているかもしれないぞ・・・?


2013年12月8日(日) 記

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