東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第38回)

江東区産業会館と再生可能エネルギー関連

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


 江東区の東陽町駅傍に、「江東区産業会館」がある。東京新木場木材商工協同組合様のご推薦を戴き、会社商品等を1年間展示する機会を頂戴し御礼申し上げます。東京木材問屋協同組合様寄贈の銘木類もあり、江戸情緒がわずかに残る木の町、「木場深川」に漂う木の温もりと和み(なごみ)を改めて認識。不思議な魅力を持つ伝統の江戸切子類を含め、全業種で約50社が展示中。特長は開館時間(*)が長く、各種の会議室も完備。交通の便もよく利用価値が高い。2020年東京オリンピックの拠点になる江東区として、大勢の見学者を呼び込み多面的な発展の期待が高まっている。皆様もぜひお出かけください。(*:9:00〜22:00、土日もOK。但し、日曜日は第2、4が閉館。年末年始は別)


入口付近。土曜もやっているので助かるよ! 木材や自然素材が優しく出迎える。いいね!
左図は、東京木材問屋協同組合の寄贈物件。
木琴の様に見えるが、木目や色合いが美しい。
耳を澄ませば、木の息遣いが聞こえる様だ。
左側より、杉磨き丸太、青森ヒバ、杉、ヒノキ、秋田杉、タモ、ナラ、カバ。(ここまでが半柱)
続いて柱状のものが、杉、ヒノキ、木曽ヒノキ、米杉(*)、スプルース(*)、米松、(*)、米栂(*)、米ヒバ(*)。
(*:カナダ産、無印は日本産。)
昭和木材(株)
夢のあるかわいいものが一杯。
細田木材工業(株)
期待の集まる多摩産材。
(株)コバリン 企業向けのPR用パンフレットコーナー

 

【建築家の坂茂氏が米国プリツカー賞】 3月25日、建築界のノーベル賞と言われるビッグなニュースが飛び込んだ。坂氏(56歳)は、オフィスビルや住宅、美術館等一般の設計活動と災害支援を両立。被災地では、再生紙の紙管等、安価で入手可能な材料を使用。最初の支援活動は、1995年、国連難民高等弁務官事務所と協力し、ルワンダ難民に提供した紙管とプラスチックシート製の緊急シェルターだった。同年に発生した阪神大震災では、「紙のログハウス」「紙の教会」を建設した。以後20年、世界のどこかで災害がある度に駆け付け支援をしてきた。
 東日本大震災では、宮城県女川町にコンテナを重ねた3階建て仮設住宅を実現させた。限られた用地に、プライバシーを尊重した居住空間を確保しようと苦心した。又、坂氏と長年の親交があり、木造金物工法のパイオニアである(株)シェルター(山形市)の木村一義社長は、坂先生の栄誉を心底喜んでいた。坂氏の情熱と謙虚さに裏付けられた偉業には敬服する。木材の利用促進の分野を始め、益々のご活躍を期待している。余談だが、嘗て、製紙工場で紙管原紙の生産に関与した私も、木から生まれた紙管の有効活用には大変興味をもっており今後もフォローしたい。


【再生可能エネルギー:地熱に注目】 東日本大震災から既に3年。原子力の危険性を考えると誰しも否定的になるが、天然ガスと石油への依存率増加が歴然。燃料の輸入費増加分が貿易収支赤字の主因(約4兆円/年)となり、環境か財政破綻か、理想と現実の岐路にある。再生エネルギーへの転換は容易な事ではないが、将来の為には積極的な投資や技術革新によって必ず実現してもらいたい。


 電源は、「安定供給」「経済性」「環境負荷」の3点で評価される。天候に左右される太陽光や風力は、安定供給や経済性に難がある。原子力は、その両方に優れる一方、一旦事故を起こすと取り返しのつかない甚大な影響を環境や社会に与える。ドイツは脱原発宣言したが、まだ9基の原発が稼働中で、全発電量の15.8%(2012年)。そこで、3点のバランスがいいのが「地熱」だ。但し、温泉地や国立公園等に集中している為、様々な厳しい規制もある。

左図の←→印は、再生可能エネルギー。
 バイオマスの記事もよく見かける。コスト的に難があるが環境には一番優しい。地域性(間伐木廃材等)を考慮し推進中。
そこで、国産で無尽蔵の地熱に注目が集まっている。火山国の我が国の地熱資源は、2,347万kwとされ、米国、インドネシアに次ぎ、世界3位で、原発23基分に相当。
国内最大の八丁原地熱発電所は、大分県九重町にある。又、湯布院温泉で知られる、大分県由布市で1月末、メガソーラーの建設を規制する条例が施行された。
昨年9月、福島県磐梯朝日国立公園で、国内最大級の発電所建設に向けた調査が開始。資源見込み量は、計画全体の半分の27万kw。(電気事業連合会資料。2014年3月16日付「産経」)

【高校東京同窓会観桜会】 3月29日(土)11:00〜14:00 ホテル グランドパレス(九段下)。毎年の恒例行事に約40人参加。今回は、同級生の小林君(S45卒)が初参加。彼は不動産関係の要職(不動産鑑定士)にあり、中国子会社の董事長(社長)を兼務。懇親会終了後、横山先輩と千鳥ヶ淵、靖国神社、皇居周辺を約2時間かけ東京駅までゆっくりと散策した。国内外の大勢の観光客があふれていた。薄命な桜と江戸城の悠久の石垣は対照的で、季節の移ろいと人生のはかなさを痛感。同時に、出逢い、歓談、気づき、別れ、反省等色々な意味で勉強になる大切な機会と思って参加している。

左は鈴木会長(S35卒)と横山事務局長(S40卒)。 静なる湖面と美の桜回廊。
(七分咲きの千鳥ヶ淵)
見事に咲き誇る桜前で、ご機嫌の外国人旅行者。 約2時間の散策の後、東京駅へ。
人気のはとバス。


2014年4月6日(日) 記

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