東京木材問屋協同組合


文苑 随想


『歴史探訪』(95)

江戸川木材工業株式会社
常務取締役 清水 太郎

 組合月報11月号に掲載して頂いた「隅田川クルーズ」で、学友O氏より配布された「大卒後五十年の歴史」は、1958年−2013年迄の、世界及び日本の動静が年毎に要約されており、自分達が歩んできた道を懐しく振り返ることが出来ます。内外の政治経済の動き、スポーツ、流行歌、映画等、一年分を三百字以内に要約してあり、O氏に感謝しながら歴史探訪をします。

1958年(S.33) 高校を卒業、あの長嶋茂雄が巨人に入団して新人王、先日93才で天寿を全うした野球の神様 川上哲治氏は引退、大相撲では栃錦、若乃花が全盛、白黒テレビが普及、NHK「バス通り裏」、「事件記者」が人気番組でした。
1959年(S.34) 1年浪人して大学入学、池田勇人氏が「所得倍増論」を唱える、明仁皇太子と正田美智子様が御成婚、ミッチーブーム起きる、伊勢湾台風で5千人死亡、ペギー葉山の「南国土佐を後にして」がヒット。
1961年(S.36) 米、ケネディ大統領就任、式典の言葉より「我々は国に何かを期待するのではなく、国の為に何が出来るかを考えよう」、黒人歌手のマリアン・アンダーソンが国家を力強く歌いました、ソ連・初の有人宇宙船ボストークが地球周回に成功、ガガーリン宇宙飛行士が大学に招かれ、多くの学生が「地球は青かった」という名台詞を聞きました。
1962年(S.37) 堀江青年がヨットで太平洋横断、若戸大橋が開通、クラス担任の堀井教授が技術指導で活躍、ヒット曲「いつでも夢を」
1963年(S.38) 大卒後ゼネコンに入社、ケネディ大統領がダラスで暗殺、先日没後50年の追悼式がありました。長女が駐日大使に就任、映画『アラビアのロレンス』
ゼネコンH社には4年在籍しました。ダム建設のような大きな仕事に憧れて門を叩き、許されました。国の内外を問わず、ダム工事は大方建設が完了した為、配属は、地下鉄工事、新宿西口地下駐車場建設、淀橋変電所から副都心に電力を送る地下ケーブル埋設工事と地下が続き、東名高速道静岡現場に転出して、晴れて地上に出ることが出来ました。
1964年(S.39) 東京オリンピック開催に向けて、東海道新幹線が開通、首都高速は羽田から環状線経由で初台まで開通しておりました。土地の買収不要の河川に杭を打ち、高架にして建設、江戸時代から五街道の基点となっていた日本橋の上には空がありません。開通後50年でかなり老朽化し大掛りの補修が必要です。
都内を隈なく走っていた路面電車は荒川線を除いて昭和42年廃止となり、代って地下鉄網が、営団9路線、都営が2路線建設、今後も営業距離を伸ばします。
1967年(S.42) ゼネコンを退社、現会社に入社
1968年(S.43) 3億円事件起きる、映画「黒部の太陽」
1970年(S.45) 大阪万博開催、来場6400万人、三島由起夫割腹自殺、時の首相佐藤栄作氏は「気が狂ったとしか思えない」とコメントしておりました。最近ある著名な建築家は、日経連載「私の履歴書」の中で「三島氏の行為は高度成長を続け、奢り高ぶって戦うことをやめた日本人に対する警鐘だ」と看破しました。
1972年(S.47) 沖縄返還、学生の時、パスポートを取って渡航しましたが、以後自由に旅行できるようになりました。
「日本列島改造論」を掲げて田中角栄首相登場
1974年(S.49) 住宅着工戸数は未曽有の190万戸に達しました。
三井物産の指導で、米国へツーバイフォー住宅の勉強で渡航しました。滞米中、ウォーターゲート事件が発覚、ニクソンは辞任しました。
所用で日系二世N氏に会い、「米国最高の権力者が辞任に追い込まれ、国民として恥ずかしくないですか」と訊きますと、N氏は「それは残念なことであるが、大統領でさえ辞任させることの出来る法律の力を誇りに思います」と仰っておりました。
小野田元少尉ルバング島で救出、長嶋引退「巨人軍は永遠に不滅です」ヒット曲「襟裳岬」「ひと夏の経験」アニメ「ベルサイユのばら」
1975年(S.50) 英保守党サッチャー党首に、広島カープ初優勝
1976年(S.51) ロッキード事件発覚政界を揺るがす、天安門事件、山崎豊子原作『不毛地帯』映画化、ヒット曲「北の宿から」「青春時代」
1977年(S.52) 北鮮 金日成の後継者金正日へ、日航機日本赤軍にハイジャック、王貞治ホームラン世界記録756本、ヒット曲「北国の春」「津軽海峡冬景色」「ウォンテッド」
1979年(S.54) イラン革命 ホメイニ臨時政府樹立、英サッチャー首相に鉄の女と云われる、EC委「日本人はウサギ小屋に住む仕事中毒」と酷評、本四連絡橋開通、ヒット曲「いい日旅立ち」「関白宣言」
1981年(S.56) レーガン大統領就任、英皇太子ダイアナ妃結婚、神戸「ポートピア’81」開幕、小説『なんとなくクリスタル』
1982年(S.57) フォークランド紛争勃発、チャールズ皇太子 英国軍の先頭に立って戦い、「ノーブレス・オブリージュ」(Nobless Oblige)(高い地位にある者は普段は優雅に暮らしていても危急存亡のときは先頭に立って戦う)と称えられる。
1983年(S.58) 東京ディズニーランド開園、ポーランドのワレサにノーベル平和賞、三宅島大噴火、ヒット曲「矢切の渡し」「さざんかの宿」
1987年(S.62) 国鉄分業民営化、都心の地価高騰 地方にも波及、三つの神話生まれる @経済は成長する A銀行は潰れない B地価は上がる、ヒット曲「人生いろいろ」
1988年(S.63) リクルート事件で政界波乱、世界最長の青函トンネル開業、瀬戸大橋開通(世界最長の併用橋)学友M氏瀬戸大橋の建設、構造計算で貢献し紫綬褒章、東京ドーム完成、株価3万円へ、千代の富士53連勝
1989年(H.1) 米ブッシュ大統領、ベルリンの壁崩壊、好況 株価3万9千円ピークを記録、天皇崩御87歳、美空ひばり死去、ヒット曲「川の流れのように」
1990年(H.2) 東西ドイツ統一、イラク軍クェート侵攻 湾岸戦争始まる
1991年(H.3) バブル崩壊始まる、多国籍軍イラク攻撃開始、日本90億ドル支援、東京都新庁舎完成 設計丹下健三 建設費1600億円、都内電話番号局番4桁へ
1992年(H.4) バルセロナ五輪 岩崎16歳 金 有森 銀、都市銀行21行の不良債権12.3兆円
1993年(H.5) EC12カ国単一市場発足、サッカーJリーグスタート、皇太子と雅子様結婚の儀、自民党長期政権に幕 細川6党連立内閣、闇将軍田中角栄死去
1994年(H.6) 金日成主席死去後継金正日氏、松本サリン事件発生、関西国際空港開港、就職難、価格破壊、貴ノ花横綱へ
東海道中開始 2月日本橋出立 10月京都三条大橋着
1995年(H.7) 円高で大荒れ、阪神淡路大震災死者6500名、営団地下鉄でサリン事件発生 オウム真理教麻原教祖逮捕、青島幸男氏都知事に、都市博中止決定、中山道中始める
1996年(H.8) 英チャールズ皇太子ダイアナ妃離婚、ペルーのゲリラ日本大使館襲撃、民主党結成(菅直人、鳩山由紀夫) アトランタオリンピック有森 銅「自分をほめたい」
1997年(H.9) 拓銀 山一證券倒産、地球温暖化防止京都会議開幕、金大中韓国大統領に、消費税3%から5%へ、映画『タイタニック』
1999年(H.11) EUの単一通貨ユーロ11カ国で導入、世界の人口60億人に、石原慎太郎東京都知事に、大手銀行の不良債権19.9兆円、ヒット曲「だんご三兄弟」、五街道踏破
1999年(H.11) EUの単一通貨ユーロ11カ国で導入、世界の人口60億人に、石原慎太郎東京都知事に、大手銀行の不良債権19.9兆円、ヒット曲「だんご三兄弟」、五街道踏破
2000年(H.12) 独2030年代に原発全廃決定、シドニー五輪田村、井上、高橋金
2001年(H.13) 米で同時多発テロ、小泉政権発足、構造改革スタート、狂牛病発生、映画「千と千尋の神隠し」
2002年(H.14) 景気低迷、小泉首相訪朝、拉致被害者5人帰国、小柴、田中ノーベル賞、IT不況、松井秀喜メジャーへ、映画「ハリーポッター」
2003年(H.15) 米英イラク侵攻、バグダッド制圧、貴乃花引退、朝青龍横綱へ
2004年(H.16) テロ紛争続発、北朝鮮6カ国協議、アテネ五輪 北島 野口 金、拉致被害者家族帰国、新潟中越地震、振込め詐欺、イチロー最多安打 大リーグ記録更新
2005年(H.17) 小泉劇場郵政選挙、愛知万博入場2200万人、福知山線事故107人死亡、知床世界自然遺産に、耐震偽装マンション発覚 姉歯事件
2006年(H.18) 冥王星太陽系惑星から降格、北朝鮮が核実験 ミサイル発射、トリノ五輪荒川静香イナバウアーで金、安倍政権発足、甲子園で早実駒大苫小牧を破り優勝 ハンカチ王子VSマー君、少子高齢化世界一、人口減少に転ず、藤原正義著『国家の品格』
2007年(H.19) サブプライム問題 国際金融市場揺るがす、安倍首相辞任 福田首相へ、姉歯事件で規制強化により住宅着工戸数激減
2008年(H.20) リーマンショック世界同時株安日経平均7162円、米オバマ黒人初の大統領に、福田退陣麻生首相へ、映画『崖の上のポニョ』
2009年(H.21) オバマ核廃絶を唱えノーベル平和賞、GMクライスラー経営破綻、裁判員制度スタート、衆院選民主圧勝歴史的政権交代、イチロー9年連続200本安打、松井MVP、映画『おくりびと』アカデミー賞
2010年(H.22) ハイチ大地震 死者23万人、上海万博入場7300万人、ギリシャ財政危機 EU財政不安連鎖、鳩山退陣菅首相へ、尖閣問題、はやぶさ快挙、白鵬63連勝
2011年(H.23) 東日本大震災死者不明2万人、福島原発事故、スカイツリー世界一634mムサシ)、なでしこジャパンワールド杯優勝 国民栄誉賞、中国経済世界2位へ、世界の人口70億人、金正日死去金正恩後継、テレビ地デジに完全移行、小笠原・平泉世界遺産へ
2012年(H.24) オバマ再選、スカイツリー開業経済効果千億円、ロンドン五輪メダル28個、山中教授ノーベル賞、笹子トンネル天井板崩落、衆院選自公圧勝、第二次安倍政権発足
2013年(H.25) アベノミクスで円安株高へ、企業業績好転 三本の矢で成長戦略へ、新歌舞伎座開場 設計隈研吾、大鵬・長嶋・松井国民栄誉賞、富士山世界遺産登録、2020五輪東京に決定、楽天9年目でリーグ初優勝、田中23連勝 日本シリーズ制し日本一へ、南アフリカ元大統領マンデラ氏死去 93歳 獄中23年人種差別政策と戦い出獄後大統領にノーベル平和賞、今年の流行語大賞「今でしょ」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「お、も、て、な、し」

 以上、駆け足で過去55年を探訪して参りましたが、7年後のオリンピックに向かって、日本は大きく飛躍していくことでありましょう。湾岸地区には競技施設が造られ、人口は急増し、注目の的になっております。
 2027年には時速500kmのリニア新幹線が開通します。新しい年に見る初夢は、楽しみと同じくらいの不安も孕んでおります。大震災からの復興を着実に実施し、経済を再生、諸外国と賢く交際し、環境に配慮した国土を築き、人類に貢献する国及び国民になるよう務めることが課せられた使命であることを肝に銘じ、将来生まれて来る子孫に素晴らしい遺産を残すことが出来ますよう祈念して今回の歴史探訪に幕を下ろします。





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