東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第26回)

沖縄の美男美女 春一番

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


【沖縄県の大学生訪問】 3月5日(火)午前、琉球大学及び沖縄国際大学の学生の皆さん4人が来社。発端は、2月初旬に当社HP上の「エコや林業」に興味があるとの見学希望メールを受信。突然のことで一寸躊躇したが、彼等の若さと情熱に快諾した。主に「自然素材、林業とエコツーリズム」の話をした。丁度、東日本大震災(2011年3月11日)から2年経過し日本全体が喪に服しているような時期であるが、次世代を担う若人等との交流は楽しいひと時となった。

 

左は、社長室で千葉社長に挨拶し、談笑する学生達。(大学1年と2年生)沖縄県や大学の支援を得て、1週間で都内の企業数社を訪問し、研修報告書を提出する。所謂、研修旅行である。
南国独特な陽気な明るさはとても良かった。元気な若さ山盛り一杯。正に、春一番に相応しいもので、事務所が華やいだ雰囲気になった。

右は、当社の業務内容説明会に真剣且つ積極的なまなざし。営業部門は、中川営業本部長より輸入木材の仕入れや流通の話をしてもらう。又、偶然上京中の小柳常務(秋田営業所)から木材と自然素材の話を始め、具体的な施工事例を説明してもらった。
私は、「林業とエコツーリズム」のフローチャート図や資料を配布し、取り組みの方針等少し説明をさせてもらった。

左は、当社事務所訪問後、深川東京モダン館で下町の展示物を見学した。4人が手に持っているのは、当社の「もみがらエコボード」。若い人は、やはり、新鮮でいいね! サマになる。
既に何度も書いたが、毎年全国で200万トン発生する籾殻は厄介な農業廃棄物だ。あくまで、当社のマイナー商品で、身近な自然エネルギーの有効利用の呼びかけです。

右は、昼食後、赤札堂そばのレトロな横丁を散策。偶然、付近の路上にいた沖縄出身者が、なつかしい沖縄弁を聞き、飛び入りでお友達になった。彼は地元商店の社長だった。急に、沖縄弁の会話になり、話が分からなくなってしまった。
「旅は道連れ世は情け」。意外な出会いだ。有名な深川不動堂と富岡八幡宮等を見学後に帰沖。いい思い出になったと思う。翌週、お礼のメールを頂戴した。将来、彼等とのコラボができればと期待。

 

 

【深川東京モダン館】 3月9日(土)評判が上々で、掲示板を増設しました。

額縁は木材で、古い写真等にもマッチ。平岡熙氏(1856〜1934:明治、大正期の鉄道実業家)

沢村栄治氏(1917〜1944)(戦前の巨人軍名投手)。江東区洲崎球場(S12年=1937年)

【岩手県大槌町:産学官連携コンソーシアム】 これは東京大学が主体となり、被災地復興に向け支援推進を行う一大プロジェクトである。当社は参加していないが、異業種の多彩な人達の熱き奮闘の姿を垣間見て大いに啓発された。そこには農林業の発展・促進に関し、各種の自然素材の有効活用等も織り込まれていた事は嬉しい。その意味では当社の「もみがらエコボード」も、微小ながら農林業振興の一環として社会的な一面を有しており、発信する事は意味のあると思う。

 

 

【秋田大学図書館(秋田市)】 2月28日(木)に施工しました。

図書館の受付。静けさの中、なごみを感じる。

机の脚元に設置。吸音、調湿効果を発揮。

【新潟大学農学部(新潟市)】 3月15日(金)学生さんの休憩室に施工。一般に、公共建造物の外観は殺風景で冷たい印象を拭えない。自然素材で雰囲気が柔らかくなる。

吸音、断熱効果も有、間仕切り、掲示板にもOKです。折り畳み、移動は自由です。

ピンの痕が残りにくく、大学には最適です。鉄筋造の冷たい空間に温かさを醸成する。

【米プリツカー賞受賞:建築家の伊東豊雄氏(71)】 3月18日(月)『日経』の夕刊に目立つ記事が出ており、当夜はテレビ等でも熱く報道された。建築界のノーベル賞と言われ、日本人では丹下健三氏、安藤忠雄氏らに続き6人目。「斬新な発想と素晴らしい建物作りの組み合わせ」が高く評価された。下記の建物が、第13回(昨年11月)ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、最高賞の「金獅子賞」を受賞した。ところで、最近の『日刊木材新聞』等を見ても、大型木造建築物関係の記事が増加しており、日本の伝統継承や自然環境にはいいことだと思う。

記事中、ふと1枚の写真が目にとまり調べた所、KES構法による大型木造建築物で有名な(株)シェルター(木村一義社長:山形市)のHPで見たことのある写真だった。

右は、岩手県陸前高田市に建てられた「みんなの家」。伊東氏が中心となって建築された。2年前の大津波の塩害で枯死した、杉丸太19本を有効活用した。

 

 

【日本は資源大国か?】 3月は、ワクワクする夢の国産エネルギー開発のニュースが相次いだ。

●メタンハイドレート

愛知県沖約80kmの海底で天然ガス発掘に世界初成功。日本近海に広く分布しており、期待のエネルギーだ。

●レアアース

小笠原の南鳥島付近の海底の泥から想像を絶する高濃度(中国産の10倍)が大量に埋蔵することが確認された。

●海底熱水鉱床

沖縄や伊豆・小笠原諸島付近に、金、銀、銅、鉛やレアメタルを豊富に含んだ推定数億トンの膨大な鉱床が存在するという。

 昔、高校時代に地学の先生から火山地帯には資源が多いと聞いたことあるが、当時は安く潤沢だったから誰も相手にしなかった。時を経て、領海や排他的経済水域の重要性を改めて認識した。実用化迄の課題は多いが、日本人の英知を結集して是非とも実現してもらいたいものだ。

 

【3月末を迎えて】 TPP交渉参加が決定され農家の不安は大きい。食料自給率の低下著しい日本では、輸入が3日止まっただけで、国内が飢餓状態になると言われて久しい。半世紀前に比べ、農業就労者人口は激減している。農家出身の私としても、極めて複雑な心境だ。食料の輸入は常に平和的に保全されるわけではない。
 生易しい話ではないが、成長戦略の一環として、農業の大規模化等もいつまでも検討中ではなく具体化すべきと思う。農業も厳しい逆風の中だが、輸出に活路を見出している人もおり、こうした動きが加速されることを願う。
 さて、世間ではアベノミクスに対し賛否両論あるが期待感が勝る。3月末の日経平均株価終値が3年振りに、12,300円台となった。年内には、14,000円台になるとの見方もあるが、期待感が先行しており予断は許されず、これからが正念場を迎える。
 巷の書店では、昨年迄は日本の将来に対する破綻や衰亡等の悲観論が大半であったが、年明けから悲観論が減少し、前向きな期待論が増加しており嬉しく歓迎できる。日本が復活する最後の機会と信じ、日夜奮闘している人も少なくないと感じる。

 

2013年3月31日(日) 記


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