東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第32回)

「木と暮しのふれあい展」と「モダン館こけし展」

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


 今秋は、台風や豪雨による土砂崩れ、竜巻、突風等の悲惨な自然災害が相次いでいる。一方、世の中は、7年後の「2020 東京オリンピック開催」に向けて動き出した。様々な課題もあろうが、国民的な大目標ができたことは素晴らしいと思う。

【木と暮しのふれあい展】 10月6日(日)午後3時頃。江東区木場公園内。今回が第33回。江戸時代、深川には全国から大量の木材や米等が集積され繁栄を極めた。木の町深川を想起させる伝統的な展示会で、今年も数万人が来場し大変な賑わいでした。


「木レース」の展示コーナーを訪れた、当ふれあい展の主催者である吉条会長(一般社団法人 東京都木材団体連合会)。「林業」を趣味でライフワークにしている、大手旅行社管理職の大谷さん(左端)の発案で、原木組合のブースを借りての初展示。大勢の女性がボランティアで参加し、改めて女性の力の偉大さを認識した。仕事の合間に準備された皆さんも大変にお疲れになったと思いますが、素晴らしい企画に感謝です。


丁度、米国ミシガン州在住の友人、三上君が来日中で飛び入り参加。前日は小雨模様であったが、当日は好天で気分は快晴。
間伐木を活用した上記の「木レース」(四国産木材で、レーザー加工品)色塗りを林業女子の美女軍団に誘われ迷わずトライ。(特価200円也)
川侮ミ長(原木組合)に記念写真を撮ってもらい、いい思い出になり御礼申します。


右は、私が丹精込めて色塗りした作品(?)。職場で使っていますが、やはり、木の自然さが良いですね。最初の思い付きや商品化には様々な障害があったと思うが、斬新なアイディア商品で、色々な種類があり素晴らしい。
又、ミシガン州も林業が盛んな地域もあり、いつか私も旅行したい。三上君も自宅の机の上に飾ることを約したので、日本の林業を忘れないだろう。



【人気のこけし展】 深川東京モダン館 9月14日(土)15時頃。宮城県の木地師の方が展示会をやっていた。「こけし」は主に東北地方で製作され、起源は200年以上前(江戸末期の文化・文政)に遡る。東京の下町には、木製品を愛好する人が予想以上に多く嬉しい驚きでした。


東北各地に沢山ある温泉地に多くの人々が、湯治に訪れました。短い旅ではなく、疲れを癒し、病気を治すために、1ヶ月、2ヶ月という長い時をそこで過ごしていました。

温泉は、多くが山間部にあり、そこには木々が豊かに生い茂り、その木を用いて生活必需品(お椀、お盆等の木製品)を製作する木地師(きじし)と呼ばれる人々がいました。

木製品を作る時に必ず余り木がでます。その木を使って頭と胴を作り、顔や着物を描いた人形がこけしだったのです。
温泉地に沢山の人々がやってきて、賑わいを見せるようになると、お土産品として生み出されて、こけしもその一つになったのだろう、と思われます。
湯治に連れてきた子供に買ってあげたり、又、家で待つ子供達のお土産に買い求められたそうです。

木地師は、こけしだけでなく、お盆等の木製品も作りました。左図のケヤキのお盆は立派な置物です。直径が約70cm。値段は、30万円。

現在のこけしは、11の「系統」に分類されている。こけしは、作者が自由気ままに作るものではなく、その師匠から受け継いだ「型」を守りながら製作されています。とは言え、作者なりの独特の作風の違いはあるとの事。

展示会を開催した、佐藤康広さん。仙台の青葉区で、仙台木地製作所を営んでいる。佐藤さんは、遠刈田系のこけし職人。ケヤキ製のお盆類は、ベテランのお父さんが担当。数十年の経験に匠の技を感じました。
手に持っているお盆は小さいので、10万円。木の好きな私は、眺めているだけで、気持ちがすっきり落ち着きました。

2013年10月6日(日) 記

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