2018.02.07

木のはなし

木製戦闘機の話

立川 キ106

初飛行:1944年頃(?)
生産数:10機

四式戦闘機疾風(キ84)を木製化した戦時代用機。
大戦末期、日本は深刻な資材不足でアルミニウム合金の入手が困難になっていた。
これを木製材料で代用した機体として開発されたのがキ106。四式戦闘機疾風をベースに主要部品を木製化した。
しかし強度確保のため機体重量が17%も増大し、速度・運動性能の低下が著しく、戦闘機としては不合格と判断された。その他に製造の難しさや接着剤の不良問題もあり不採用となった。
同様の機体に鋼製化したキ113があるが、こちらも重量増大に対応しているうちに終戦となった。

1945年8月4日の朝日新聞(大阪本社版)の1面には「本土決戦へ入魂の木製機続々生産」との写真と記事が載った。撮影場所や日時は明らかにされていない。

制海権を失い、資材不足が日に日に激しくなっていた日本も、木製飛行機の試作に取り組んでいた。新聞記事では検閲の結果か、工場の所在地や生産能力に関わるデータが伏せ字になっている。

木製機増産に必死敢闘するここ○○航空株式会社○○工場は、木製機生産工場としてまだ設備技術の欠けた第二流の航空会社であるといわれているが(中略)設計変更に次ぐ設計変更にもめげず頑として初志を貫徹、墜に金属製に劣らぬ翼を流れ作業で続々生産、月産○○台のみるべき成果を収めている(*1

北海道・江別の王子製紙は1944年に製紙工場から航空機製造工場に転換し、終戦間際に2機の試験飛行に成功したという。家具メーカーの飛驒産業は、1943(昭和18)年に木製の機体造りの密命を受け、航空機会社の指導のもと、終戦までに10機を試作したと明かしている。

ただ、どちらも実戦投入には至らなかった。いずれの当時を知る人も「使われなくてよかった」と振り返っている。

歴史の事実として、帝国陸軍航空隊の疾風の木製戦闘機が存在していた。

更に詳しく調べてみたいと思う。

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