工事の記録
RECORD OF CONSTRUCTION

 
実大実験 その1

神奈川県東戸塚にある大成建設の技術センターにモックアップを移動し、実大の破壊実験を行いました。
写真の機械で長さ12mに及ぶ梁に力をかけていきます。大きい方の梁で50t程度の力をかける予定です。
写真は梁の変位状況を測定する器具です。データはPCに送られ、リアルタイムで処理されグラフなどの形で表示されていきます。
 
力をかけていくと、当初はなんともなかった梁が、次第にみしみしと音を立て始めます。
そうして想定の荷重に耐えたあと、さらに力をかけていくと、梁の内部の各所から爆裂するような音がし始めます。詳しくは内部の状況を調べなければなりませんが、力が集中した栓や継手の部分が、すべりを生じたためのようです。力が増すごとに、いろいろな場所から音がし始め、梁のたわみは少しずつ大きくなっていきますが、梁はまだ壊れません。結局、梁は30cm近く変形しても、壊れずに持ちこたえていました。こうした粘りが木造ならではの魅力ですが、同時になかなか予想がつかない部分でもあり、木造設計の困難な部分でもあります。大掛かりな実大実験はそうした状況について、貴重なデータを与えてくれます。
最終的には最下部の部分が破断し、実験は終了しました。こうした実験を計4回繰り返し、複雑な木の梁の挙動を確認すると共に、安全な建物の設計に役立てて行くことになります。木材の面白さと難しさを再認識した一日でした。
 
by NIKKEN SEKKEI.ltd :2008-07-10:木材の実験:

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