工事の記録
RECORD OF CONSTRUCTION

 
実大実験 その2

引き続き、ゼネコンの技術研究所で実大実験を行いました。
今回の建物の木製の梁では、上下に積層した木の間の力の伝達に木栓を用いています。実験体では、梁のうち半分の木栓を表から見える「現し」とし、残り半分を表からは見えない「隠し」としており、これらの強度を比較することも実験の目的の一つでした。
前回までも同様の実験を行ってきたのですが、今回の実験では結果的に「現し」と「隠し」の間で大きな差が出ることになりました。両者は構造モデル上は同等になるように設計されているのですが、実験を進めるにつれて、明らかに「隠し」の方が不利であることが発覚したのです。木栓を「隠し」た部分の方が、力を加えた際の変形が大きく、そして、最初の破壊も木栓を「隠し」た側で起こりました。
 
我々の間でも木栓を「現す」か「隠す」かについては、意匠面、施工面などから様々な意見がありましたが、今回の実験がそうした論争に終止符を打ってくれました。実大実験の終了と共に、未決だった方針も決定し、今後はさらに詳細な検討に移ってていことになります。1/1(いち分のいち)で物事を試すことの重要性をまざまざと見せ付けられた1日となりました。
by NIKKEN SEKKEI.ltd :2008-07-10:木材の実験:

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