2019.10.07

雑談・雑学

雲杉(クモスギ・ウンサン)について

 雲杉(クモスギ)はマツ科トウヒ属の針葉樹で主に内装用造作材、建具材、羽目板から家具木工用など巾広く使われています。 「これは杉じゃないでしょ」と言われることがあります。ほとんどの人が杉と聞けば日本の杉をイメージしますが、雲杉は日本の杉とは全く違う樹種です。

 雲杉は中国の西南地域である四川省、雲南省、及びチベット自治区に自生する白系の針葉樹で中国スプルースとも言われ中国語では雲杉をウンサンと読みます。 雲杉の中にはツガ系の鉄杉と呼ばれるもの、モミ系の冷杉と呼ばれるものも含まれています。中国産の白系の針葉樹の総称として雲杉と呼ばれ日本のマーケットで定着して来ました。

 現在日本に入荷している雲杉は、中国政府が丸太の伐採を許可しているチベット自治区のものがほとんどです。チベットの製材工場で丸太を柾目に製材し、乾燥させラフ挽きの板にします。これはチベット内の住宅用に使われるものと日本向けの製品を作っている成都の工場が買い付けるものに分かれます。 チベットも成都も同じ中国国内にもかかわらずチベットから他の町に出荷する数量は中国政府に厳しく管理されています。

 チベットからの出荷の解禁は毎年5月頃で、政府によりその年ごとの出荷数量が定められ、それ以上の出荷は規制される為に次の5月まで待たなくてはなりません。

 

 成都にある加工工場では雲杉の板にプレーナーをかけた後グレード分けをして日本向けの平割、加工品、集成材などを作ります。出荷解禁になるとチベットからトラック輸送が一斉に始まり1年分の材料を確保します。日本からの発注が予想より増えれば1年たたずに材料が不足してしまうこともあります。

 

 成都の加工工場では1年分の材料を買い付ける資金があるところは少なく、その場合日本の販売先から借りて、1年かけて出荷した製品と相殺するやり方をとります。日本側からすれば入荷する前に1年分の資金を支払うという高いリスクを伴うため、よほどの信頼関係のある工場でなければ行えません。

 日本に雲杉が入荷してから約30年が経ちます。昔から日本では白系の柾目板が好まれていたこと、スプルースとツガの中間の価格に雲杉があり使いやすいことなどから、日本で普及してきました。

新協商事株式会社

 関野 守康

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