2025.10.01
情報・趣味問題提起:日本の山林
日本の山林には多くの重要な機能(防災、水源涵養、CO₂吸収、生物多様性の保全など)がある一方で、以下のようなさまざまな課題が存在します。
- 人工林の管理放棄(手入れ不足)
背景:高度経済成長期に植林されたスギ・ヒノキの人工林が多くあるが、林業の衰退により管理が放棄されている。
問題点:
- 間伐などの手入れがされず、森林が荒れる。
- 日光が差し込まず下草が生えない → 土壌が弱くなり土砂災害のリスクが増加。
- 病虫害が拡大しやすくなる。
- 林業の担い手不足・高齢化
背景:林業は重労働で収入も不安定なため、若者の就業が少ない。
問題点:
- 人材の高齢化・減少で、森林の管理・伐採・搬出が困難に。
- 山林の放置が加速。
- 木材価格の低迷と外材依存
背景:安価な輸入材が大量に流入し、国産材の競争力が低下。
問題点:
- 国産材の需要が減り、林業の採算が取れなくなる。
- 森林整備への投資が進まない。
- 所有者不明・小規模所有の山林
背景:相続や転出で所有者が分からなくなった山林が増加。
問題点:
- 管理・整備ができず、放置状態に。
- 林業経営の効率化や集約化が進まない。
- 生態系の変化・野生動物による被害
背景:里山の荒廃や気候変動により、生態系のバランスが崩れている。
問題点:
- シカやイノシシによる下草や苗木の食害。
- 植生の変化による森林の質の低下。
- 災害リスクの増大
背景:森林の劣化や異常気象の影響。
問題点:
- 豪雨時の土砂崩れ・洪水などの自然災害が増加。
- 水源地としての機能低下。
- 都市との関係の希薄化
背景:生活様式の変化により、森林資源が生活から遠くなっている。
問題点:
- 山村の過疎化、森林への関心の低下。
- 市民レベルでの保全活動が広がりにくい。
まとめ:持続可能な森林経営の必要性
日本の山林問題は、林業の経済的な衰退、人手不足、社会構造の変化、気候変動などが複雑に絡み合っています。これらを解決するためには:
- 森林の集約化・効率的管理
- 国産材利用の推進
- 林業の担い手育成
- 公共・民間・地域の連携による森づくり
などが求められています。
以上